「はだしのゲン」問題描写を検証する
「はだしのゲン」とは 問題描写の検証 「はだしのゲン」に
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学校教育上、問題となる描写を検証

 実際にどれだけ問題描写が作品に含まれているのか。
 「はだしのゲン」文庫版全14巻中で、特に問題と思われるコマを分野別に掲載しました。
◆国歌への批判描写
13巻P.153
13巻P.151
 卒業式での君が代の国歌斉唱を激しく拒絶する場面です。
 天皇批判も織り交ぜながら、国歌への批判を行っています。
 公式の場を自己都合で騒ぐことも問題ですが、ゲンの主張は「国歌君が代はいずれの学年においても歌えるように指導する」という学校指導要領と相いれない内容であり、この描写だけでも、この本を学校図書館に所蔵するには問題があります。
 

◆朝鮮人へのいわゆる強制連行・創始改名の強制があったとする描写
1巻P.78
  「朝鮮人内地移送計画」により終戦までの間、多数の朝鮮人労働者が徴用され日本に集団渡航しましたが、いずれも合法的に進められており、上のコマで出ているような非人道的な手段で強制連行したわけではありません。また、徴用は朝鮮より先に日本本土で行われ、皇族や徳川家当主も徴用されています。朝鮮人への差別行為とする描写は全くの誤りです。

9巻P.150
 「名前をむりやり日本名にかえさせられた」とありますが、改名は強制ではなく、朝鮮名のまま軍人となった朝鮮人の方もいます。これも史実と異なる描写であり、日本軍に横暴なイメージを連想させています。
 

◆天皇批判描写
14巻P.173
14巻P.174
14巻P.174
 友人を麻薬中毒にされた怒りで殺人を犯した隆二に対し「お前より天皇が先に裁かれるべきじゃ」と諭す場面。この前後で数ページに渡って延々と天皇批判が描かれています。
このとき既に終戦から7年経過しており、天皇陛下と隆太の殺人は全く関係ないはずですが、何かイベントがが起こる=天皇が悪い、という図式で話が進んでいます(この傾向は物語の後半で特に強くなっています)。
 このような主張の漫画を読んだ子供が、国や皇族に対しどんな思いを抱くでしょう?
 

◆史実とかけ離れた、日本軍の残酷描写
13巻P.152
 ゲンが日本兵が蛮行を働いたと発言。
「妊婦の腹を切り裂く」「女性の性器に一升瓶を入れる」といった残虐行為を日本兵が行ったとする資料はありません。
 このような行為はむしろ「通州事件※」で中国兵が日本人に対し行っていました。

13巻P.152
 「三光作戦(日本名:燼滅作戦)」という作戦があったことは事実ですが、この作戦がゲンの言うような「殺しつくし奪いつくし焼きつくし」といったもので無かったことは、当時の史料からも明らかとなっています。

13巻P.151
生首を掲げた日本兵の描写で、日本兵=残虐のイメージを植え付けようとしています。

※通州事件…昭和12年に数百名の日本民間人が中国兵に殺された事件。詳しくはwikipediaを参照

◆原爆投下及び戦争責任に対する描写
14巻P.175
「広島と長崎の原爆により日本は降伏した」と説明するコマ。
原爆が投下される以前より日本は降伏に向けての交渉を進めており、「原爆投下が日本の降伏を早めた」というのは誤った歴史認識です。

10巻P.28
同様の発言を述べるアメリカ兵。
物語の前半では、ゲンはこのアメリカ兵に反発していましたが、後半では自説として主張しています。
 

画像横の巻数は、「はだしのゲン」中公文庫版および電子書籍版を参照しています。
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